「創業者特集～何のために創業し挑み続けているのか？」で取上げて頂きました。
この雑誌は大学生の方で構成された企業取材サークルFUNにより制作され、大学で配布されています。
企業取材サークル.pdf
掲載内容
株式会社イーハイブは、独自のブログシステムを構築し、中小企業の情報発信を支援しているIT企業だ。
平井氏は仲間と共に学生時代に起業し、独立。現在はブログの活用を中
心とした事業を展開し、セミナーや講演で全国各地を飛び回っている。今回は起
業から現在に至るまでに経験された困難や、経営における信念を伺い、創業者と
してどのように経営に向き合ってきたのかを伺った。
◆情報発信の力
HP、ブログ、facebookやTwitter。これらインターネット上のサービスの充実により、現代は世界に向けて、個人が容易に考えを伝達できるようになった。その活用法を模索し、ビジネスに直結させようと工夫している企業も多い。今回お話を伺った株式会社イーハイブは、中小企業へブログの活用を提案し、ビジネスに結びつけるための積極的な情報発信を支援している会社だ。
では、イーハイブはどのように情報発信とビジネスを結びつけているのか。その着想のきっかけ何だったのだろうか。
「中小企業の商品やサービスは安くて良い物が沢山あるのに、そのような情報をインターネットを通じて発信する能力がないために、多くは売上や認知度向上に繋がっていません。従来、大手メディアや紙媒体から情報取得していた人達も、最近は、ネット上のより個人的な情報発信を信頼しており、その信頼度によって商品やサービスが売れる時代です。今の時代は何もせずに黙っていては駄目なんです。たとえHPを作っていても、情報が更新されず放置されていれば、逆に見る人の印象を悪くしてしまいます。真実味のある情報発信の影響力が上昇している時代だからこそ、ブログを通じてより手軽な情報活用を提案しています」
イーハイブは現在、RKBと連携しながら「福岡ショップ情報局」というHPを運営している。これは登録されている店舗の方がブログ記事を更新すると、それらがこのHPに集約され、消費者の方がまとめて閲覧できるというサイトだ。HPの知識がない方でも簡単に更新できる独自のブログシステムにより、お店側としては安価に、手軽に情報発信をすることができる。この組み合わせによって、イーハイブは地域の消費活動を促し、企業のビジネスを応援しているのだ。
◆困難に立ち向かう
大学院生の時、平井氏は薬物の研究を行っていたが、1995年に四名の仲間と大学院内で会社を設立。その後四名で共同経営を行ってきたそうだ。当時、「学生起業」はもちろん、理系の大学生が起業すること自体珍しいことだった。起業当時からインターネットに携わり、それが現在の事業へと繋がったそうだが、多少経営が安定してきた頃に、問題が起こってしまう。
「あるスタッフから『誰の指示を聞けば良いか分からない』と言われました。四名の経営はトップの不在を生み、スタッフに戸惑いを与えてしまったのです。それまで他のメンバーと仲良く経営をしてきたので、そこで初めてあるべき経営の姿を考えるようになりました」
現在は、他の共同経営者の方はイーハイブから離れており、平井氏が実質的な社長として従業員を束ね事業を行っている。そのような事業における困難な出来事と直面した際、平井氏は何を大切な指針として経営を行なってきたのだろうか。
「お客様に迷惑をかけず、喜んでもらうようなサービスを提供しようと心がけています。お客様に駄目と思われたら次はないんです。だからこそ小手先で何とかしようとするのではなく、いつも事業の先にお客様の喜びを考えています」
事業の中核サービスである「comlog（コムログ）」も、「コミュニケーション・ブログ」の略であり、お客様の声を聞き、サービスの向上を常に目指している姿が伝わってくる。共同経営の難しさに直面した際も、関わるお客様の満足を軸に経営を行い、その困難を乗り切った。この信念こそイーハイブ最大の強みである。
◆学生へのメッセージ
最後に就職活動生、そして起業を目指している学生に向けてメッセージを頂いた。
「多くの就活生は大きな会社しか目に止まっていないと思います。でも福岡には元気な企業が沢山あるし、そんな企業を知って、見てもらいたいですね。自分が本当にやりたいことを考えて、それが実現できる会社を探して行動する経験は、必ず良い経験として次に繋がりますよ」
「起業に失敗は付きものです。ただ起業を通してやりたいことがあれば、やってみると良いと思います。起業するだけで命は取られないですし、若いうちは努力して失敗して良いと思います」
ブログの可能性を明るく語り、中小企業の情報発信を推し進める平井氏。お客様の喜びを追求し続けてきた実直な経営姿勢から、創業者の風格と自信が伝わってきた。
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