イーハイブが、全社員にアイフォンを支給した理由
●コミュニケーションツール「コムログ」の開発
イーハイブは、2004年の冬、社内ブログ「コムログ」を開発/販売を開始しました。
この時期は、どこの会社の社内でも「情報共有!情報共有!」「見える化!」「ナレッジの蓄積を」と叫ばれながら、現実にその多くがうまくいっていませんでした。
また、日常的な業務として、提案書、報告書、日報、週報など数多くの書類を書いている割に、簡単に見ることができなかったり、そのまま埋もれているものがほとんどだったりしていました。
そのため、会社全体が情報を共有したり、一社員が自発的に情報を発信したりできない状況でした。
そこで、パーソナルエリアを持ち、簡単に社内に残せる社内ブログを構築すれば、社員が個人単位でアイデアや覚書、気づいた点や気になる点などを社内へ発信可能なもの、更に、社長・ベテラン社員・新入社員のようなポジションに関係なく、全社員が並列に情報発信が可能なもの、そしてそれらを一覧表示しデータベース化ができる社内の情報ツールが役に立つと考えて開発しました。
その為、リリースした時は、個人発信のコミュニケーションツールとして大変注目を集めました。
場所はネット公開と、社内公開と違いますが、まさに今、ツイッターが言われている「パーソナルメディア」としての特性と同じような効果を期待していたのです。しかし、残念ながら、結果的には、社内ブログは、常にパソコンの前にいる業種やサービスで、一人一台パソコンが与えられ、そしてパソコンの前でほとんどの業務をする限られた会社・グループにしか導入できませんでした。
●パーソナルメディアとしてのブログ活用
私は、3年前から毎月東京と福岡でブログセミナー(情報発信セミナー)を行っており、その中で頻繁に「マスメディアからパーソナルメディアへ」という話をしています。
しかし、実はIT業界では、6年前にリリースした社内ブログについても、社内という限られた空間とはいえ、パーソナルメディアとして利用されていたのです。合わせて、イーハイブで公開ブログと呼んでいるコムログ(いまでいうブログCMS)も、大手マスメディアには頼らない、中小企業も個人事業主も情報発信ができるパーソナルメディアとして活用されてきましたし、現在でも多くの企業さんに使っていただいています。
●ツイッターの台頭と利便性
しかし、近年インターネットの世界では、様々なアイディアやシステムの進歩とともにパーソナルメディア化やリアルタイム性が求められています。そういった状況の中でツイッターが昨年末から大ブレークしたのも頷けます。ツイッターの面白いところは、今まで情報を求めてGoogle yahooで検索していたニュースが、趣味興味を同じくするフォローしている人によりもたらされます。さらに、今度は自分が情報発信することで、より多くの人に情報が伝播し、質問を投げかけることで多くの回答がリアルタイムに届くなるようになりました。
ツイッターの面白さはいろいろなところでいろいろなことが語られていますが、私はこの「情報のシャワー」「情報の伝播」ではないかと思っております。さらに人と人がツながっていると感じるツールとして、面白さを感じております。インターネットの向こう側には人がいるというのを実感できるのも、ツイッターを始めて気づいた人もいるんじゃないでしょうか?(※1)
●人とツながる
デジタルな時代だから人間関係が希薄になっているように感じる方もいらっしゃると思いますが、うまくツール・サービスを利用することで人と人が”ツながる”そして助け合うのではないかと思います。”ツながり”が”ツながり”を誘って、頻繁に顔を合わせる会合に足を運ぶ回数が増えたという声もよく聞くようになりました。
●ブログとツイッター
この状況になって、ブログとツイッターを考えてみると、
ブログの出現で、情報発信側はマスメディアからパーソナルメディアに移ったが、実は情報の受け手は、まだマスメディアの延長として受けていたのではないでしょうか?ツイッターの出現で、受け手もマスメディアからパーソナルメディアを実感するようになったと思います。
つまり、ブログは書き手は時間をかけて推敲し、記事を書く。今までのテレビ・新聞・ホームページよりは遥かに情報発信しやすかったのですが、受けては記事を見つけてゆっくり読むそんな感じだったと思います。ツイッターは、文字数の少なさも手伝って、すぐに書く、すぐに読むが可能になったのだと思います。
ただし、ツイッターだけでは、情報がすぐに流れ、見てもらえなかったり、少ない文字数ではつたえきれない情報だったり、固定でもっと多くの人に検索して欲しい情報だったり、この辺はツイッターの不得意とするところだと考えております。
●ブログとツイッターの連携
最近はツイッターからのブログ・ホームページへの誘導やRSSリーダーとしてのツイッターなど連携が実現されています。それを見るとブログとツイッターは相性がよく、そしてそれぞれの弱さを保管しあえる関係だと考えています。
そこで弊社独自開発のブログCMSおよび社内ブログである「コムログ」においてもどう活用出来るか連携出来るか考えるようになりました。しかし、スタッフに闇雲に「ツイッターを連携するシステムを考えろ!」といっても、いいアイデアは浮かぶとは限りません。さらに、ツイッターが流行ったのは、iPhoneをはじめとするスマートフォンの出現によってです。いつでもどこでもツイート出来るそんな環境がツイッターの参加者が増えた理由の一つだと思っています。
●社員全員がつぶやく
そこでイーハイブスタッフも、自社商品コムログとどう連携していくか、どう融合していくかのアイデア発想するために、常に接しておく必要があると考えました。1人のユーザーとなり使うことによって、気づく点も多くあると思います。
まずは一歩目として3月末から全社員にツイッターのアカウントを取得してもらいました。さらに、5月中旬にはiPhoneを全スタッフに支給するに至ったのです。
ツイッターとコムログといろいろな可能性を秘めていると思っております。さらに、iPhoneをはじめとするスマートフォンも含めてさらに面白いシステムが出来ると考えています。
まだ挑戦が始まったばかりですが、今後のブログCMS・社内ブログ「コムログ」のバージョンアップに、ぜひご期待ください。
(※1: @Metal_Oyajiさんから引用「インターネットの向こう側には人がいる。ツイッターをやって実感している人も多いんじゃなかろうか。」9:49 AM Apr 22nd )
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